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  • 投稿日:2021.02.05

【論文紹介】 ビタミンD3の血中濃度が高いほどPCR検査の陽性率が低い

前々回のスタッフブログで紹介したインドネシアの論文では、D3血中濃度が高いとコロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染した後の死亡率や重症化の率が低いことが示されていました。

今回ご紹介するアメリカの論文では、ビタミンD3の血中濃度が高い方が、コロナウイルス(SARS-CoV-2)への「感染リスク」も抑えられるということが示されました。

米国の191,779人のPCR検査結果と、ビタミンDの検査結果を調べたところ、集団全体で、血中レベルが25(OH)D 20 ng / mL未満の人は、血中レベルが30〜34 ng / mLの人と比較して陽性率が54%高かった。
「ビタミンD3の血中濃度が高い人ほどPCR検査の陽性率が低いことがわかった」という内容です。

先行研究にもあるとおりビタミンD3を皮膚で作りづらい方々、黒人やヒスパニック系のアメリカ人、お年寄りなどには特に有効な方法です。この研究の限界として、対象者が医療関係者や患者など、そもそもベースラインでPCR陽性率の高い集団であること。人種を分けてみていますが、その他の未知の要因が見逃されているかもしれないことも書かれていました。

ビタミンD3の濃度が適切であれば、住んでいるところの緯度、人種/民族、性別、年齢範囲がどうあっても、コロナウイルス感染リスクも、重症化も抑えられることは確かなようなので、スタッフも血液検査を受けながらしっかり食事とサプリを継続しようと思います!お食事では内臓を含むお魚まるごと、シラスやじゃこがおすすめです!

ビタミンD3濃度が高いとPCR陽性率が低い

図の説明:
縦軸はコロナウイルス(SARS-CoV-2)のPCR検査の陽性率を示し、横軸はビタミンD3の血中濃度を示しています。
この研究ではR2 = 0.96と強い相関関係(※1に近いほど強い)があるので、「ビタミンD3の血中濃度が高いほどPCR検査の陽性率が低い」と言えます。

※回帰曲線で、「PCR陽性率」と「ビタミンD3の血中濃度」2つの変数の間に関係、「相関」があるかどうかをみています。相関係数は通常rであらわされ、-1≦r≦1の範囲をとります。0は相関がないことを表し、0より-1、1に近い値であるほど強い相関があることを表します。

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より詳しく、論文より抜粋

「SARS-CoV-2陽性率は血中25-ヒドロキシビタミンDレベルに関連する」

<背景>
コロナウイルス病-2019(COVID-19)の治療とワクチンが広く利用可能になるまで、感染率を低下させる他の方法を検討する必要がある。

先行研究は、ビタミンD欠乏症とウイルス性上気道感染症のリスク、およびコロナウイルス病による死亡率との関連を示唆する。
ビタミンDには自然免疫系と適応免疫系に影響を与える多くの作用がある。呼吸器の単球/マクロファージおよび上皮細胞は、ビタミンD受容体を発現し、この受容体を介して作用するビタミンDは、呼吸器感染症からの保護に重要である可能性がある。
さらに、ビタミンDの重要な作用は、COVID-19関連の罹患率と死亡率の一般的な原因である「サイトカインストーム」として現れる可能性のある過剰なサイトカイン放出を抑制することである。
重症急性呼吸器疾患コロナウイルス2(SARS-CoV-2)による感染のリスクを減らすことにおけるビタミンD補給の役割は研究されていない。

<対象>
2020年3月中旬から6月中旬にSARS-CoV-2の結果と一致する過去12か月の25(OH)Dの結果が得られた(米国)50州すべてからとコロンビア特別区 191,779人(87.8%)の患者の結果を分析した。

<結果>
SARS-CoV-2陽性率は、
・25(OH)D値が「不足している」(<20 ng / mL)39,190人の患者で(12.5%、95%CI 12.2–12.8%)と、他群より高かった。
・25(OH)D値が「適切な」値(30-34 ng / mL)の27,870人の患者では(8.1%、95%CI 7.8-8.4%)。
・25(OH)D値が55 ng / mL以上の12,321人の患者では(5.9%、 95%CI 5.5-6.4%)であった。

これらの結果は、血中25(OH)DレベルとSARS-CoV-2陽性との間に反比例の関係があることを示している。集団全体で、血中レベルが25(OH)D <20 ng / mLの人は、血中レベルが30〜34 ng / mLの人と比較して陽性率が54%高かった。 ビタミンDの補給は、特にビタミンD欠乏症の人において、急性呼吸器感染症を軽減する可能性がある。

SARS-CoV-2陽性は、血中25(OH)Dレベルと強く逆相関している。この関係は、緯度、人種/民族、性別、年齢範囲を調整しても変わらないままである。私たちの調査結果は、SARS-CoV-2感染とCOVID-19疾患リスクを減らすビタミンD補給の役割を調査するためのさらなる理論的根拠を提供する。

(もっと詳しく知りたい方は元論文↓をご参照ください。)

元論文
Kaufman HW, Niles JK, Kroll MH, Bi C, Holick MF. SARS-CoV-2 positivity rates associated with circulating 25-hydroxyvitamin D levels. PLoS One. 2020 Sep 17;15(9):e0239252. doi: 10.1371/journal.pone.0239252. PMID: 32941512; PMCID: PMC7498100.
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0239252

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