医療法人回生會 新宿溝口クリニック [予約優先]心療内科・精神科・内科(栄養療法)

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低血糖症、血糖調節異常

低血糖症という病名を聞いたことがありますでしょうか?
低血糖症には、特定の症状はありません。多くの症状を呈します。

そのために誤った診断をされる事が多く、特に精神疾患領域では、統合失調症うつ病パニック障害、慢性疲労症候群、登校拒否、ADHDなど、さまざまな病気に診断されている事があります。正しい診断には、5時間糖負荷検査を受けなければなりません。この検査から得られる結果は、患者さまの症状を説明するために有効なものである事が多く、治療のために必要な情報になります。

低血糖症と診断された多くの患者さまには、多くの症状や病気の診断を受けている方がいらっしゃいます。そのような患者さまに、5時間糖負荷検査の結果をもとに治療することによって、すでに診断されていた病気や、長期間お悩みになっていた症状が改善されることがあります。

医師のあいだにも一般には低血糖症という病態は知られていません。

血糖値は、厳密にコントロールされているため、インスリンの過剰な注射やインスリンを産生する腫瘍などの特殊な病態でなければ血糖値が下がりすぎることは無いと理解されているからです。

そして低血糖症という言葉にも若干の問題があります。それは、低血糖症は血糖値が低くなる病気であると思われているからです。低血糖症とは、血糖のコントロールが不良になり適切な状態に維持できない(血糖調節に異常がある)病気であるということを理解する必要があります。

当クリニックでは、統合失調症うつ病パニック障害・神経症などの精神疾患の診断のために5時間糖負荷検査を行い、それぞれの病態の評価をおこなっています。低血糖症は、5時間糖負荷の検査結果によって診断されます。

正常の血糖曲線

黄色の折れ線グラフが血糖値の変動を示します。水色の棒グラフが血糖を下げる働きを持つインスリンの濃度を示します。

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空腹時に採血を行い、その後75gのブドウ糖が含まれた医療用のジュースをお飲みいただきます。その後は定期的に採血をおこない、5時間に合計9回の採血をおこないます。

血糖は、30〜60分後に最高値を記録し、その後は緩やかな下降を示します。約3時間で空腹時の血糖と同程度まで下がり、その後はほぼ一定の値を保ちます。
インスリンは、強力に血糖を下げる働きをもつホルモンであるため、血糖が下がり始めるとインスリン濃度もすぐに減少します。この検査中の2〜3時間以降 は、自律神経の働きによって血糖値は一定に維持されます。血糖を維持するために必要なグリコーゲンなどの物質が枯渇すると、空腹感が感じられ物を食べるこ とを指令するのです。

反応性低血糖症

当クリニックで5時間糖負荷を行った患者さまのうち、約40%がこのタイプの血糖調節異常を示しました。このタイプの曲線を示す場合には、急に生じる不安感やイライラ感、幻覚や幻聴などの症状を呈することが多く、統合失調症パニック障害などの診断を受け、治療されていることが多くあります。

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正常の血糖曲線と比較して、ブドウ糖入りのジュースを飲んだ後の血糖値の上昇が急激であり、最高値も高くなっています。その後、血糖値は急激な下降を示しています。
血糖値は、その絶対値も大切ですが、急激に低下することが脳にとって大きな問題になります。つまり血糖値が低くなくても激しい症状を呈するということです。

この患者さまは、20歳代の方です。

外出時に急激にめまいや動悸、頭痛、不安感などが生じるため、定職に就くことができず家の中にいることが多い状態でした。この検査中、2時間半〜3時間を 経過した頃には、発汗、手指のしびれ、動悸などを自覚されました。その時の血糖値は35mg/dlまで低下しており、大変重篤な血糖調節の異常を示してい ました。一度上昇した血糖値が急激に低下するためには、血糖値を下げる働きをもつインスリンとの関係に注目しなくてはなりません。

この患者さまは、血糖値が低下している時間帯にもインスリン分泌が増加していることと、インスリンの分泌量が過剰であることが大きな原因です。血糖値の変 化とインスリン分泌の関係は複雑であり、そのメカニズムを詳細に検討し評価することが、治療方針に大きく関わってきます。

無反応性低血糖症

5時間糖負荷検査を行った患者さまのうち、約15%がこのタイプの曲線を示しました。

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疲労感や、抑うつ感を強く訴えられることが多く、慢性疲労症候群やうつ病などと診断されていることがあります。

また、このタイプの曲線は、10歳代の若い患者さまに多く、特になかなか眠れない、朝方に腹痛や頭痛が生じるなどの症状が多いため、不登校や引きこもりなどの原因になることがあります。不登校や引きこもりなどの状態の時には、自律神経との関係を検査するためにも、5時間糖負荷検査はとても重要な情報を与えてくれます。

75gのブドウ糖入りのジュースを飲んだ後にも、正常の曲線で見られるような血糖値の上昇がありません。5時間の検査中に、活動的に身体を動かすために必要な血糖値を示す時間帯はなく、強い疲労感を継続して訴えられることが多い状態です。

このような曲線を呈する病態は、非常に複雑であることが多く、低血糖症の中でも重症に分類されることが多く見られます。交感神経の働きを同時に検査すると、脳内の交感神経由来のホルモン分泌が亢進していることが多く、強い疲労感と同時に常に緊張した状況におかれていることが理解されます。

この曲線を呈する病態には、次のような複雑な状態が関係していることが考えられます。

  1. 小腸の腸管から、栄養素が血液中に吸収されるまでに時間がかかる。そのために正常な血糖値の上昇が得られない。
  2. 小腸の腸管から、栄養素が急激に血液中に吸収され、急激な血糖値の上昇にインスリンが過剰に反応する。過剰なインスリンの作用によって充分な血糖値の上昇が得られない。

上記の2つは、相反する病態であることがご理解いただけるものと思います。
血糖値の曲線としては同じように見えるものでも、全く異なる反応が身体の中で起こっているため、治療においても正しく評価しなくてはなりません。



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